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  • 執筆者の写真シャロウ(S.E.A塾長)

世阿弥に学ぶ

こんにちは。

塾長のシャロウです。

そろそろ自分が英語に触れ始めて30年ほど経ち、それをきっかけに自問自答で考えた話なので、ちょっと長い話です。


皆さんは観阿弥(かんあみ)・世阿弥(ぜあみ)をご存じでしょうか。

中学生の頃、歴史の授業で学んだかと思います。


一般的には能の演者として知られていますね。

室町幕府の将軍である足利家の寵愛を受け、その基礎を作った観阿弥の息子が世阿弥です。


なんと12歳の若さで演者となり、さまざまな工夫を凝らして新しい風を巻き起こした才能溢れる方です。

今もなお世阿弥の作った演目が演じられていることを思うと、すごいですね。

700年近くも同じ演目が上映されているかと思うと、今のブームの過ぎ去りの速さを考えると古典はバカにできないなと思います。


さて、実は「初心忘るべからず」という有名な言葉は世阿弥の言葉だということをご存じでしたでしょうか。

私も学校などで英語を学び始めて20年以上になります。

上で30年と書いたのは、私が初めて英語を使ったのが2歳の頃だからです(笑)。


小学生高学年ぐらいのときから、海外旅行に行く頻度が多かったのもあって、

何となく英語に興味がありました。

そして中学生になり、文法などを学びつつも、実践的な英語にはあまり触れてこず・・・

そして中3のときにマレーシアに移住することとなり、

親も私も【英語を使えるようになるべきだ】と考えたのでしょう。

移住する半年前くらいに近くの英会話スクールに週1で通うことになりました。


しばらく数か月通って、ある日カナダ人の若い女性が担当だったのですが、

語彙のレッスンで先生が"sheeps"と言ったんです。

それで私は「あれ、羊って複数形ないんちゃうか」と思い、

"It is not right."とだけ言えました。

しかしながら、先生は「何がおかしいの」と聞かれ、私も窮して

"No "S". "とだけ言えたんですが、複数形の話だと分かったのでしょう。

(ちなみに英語で複数形はpluralと言いますので、"The word [sheep] has no [s] for its plural form."と言えば正確でしょうか)

何故かその先生は辞書を調べ、実際に羊の複数形に"s"は形式上付かないことを確認して、

私に自分の間違いを認めてくれました。


ついでにですが、"fish(魚)"や"deer(鹿)"も複数扱いにはなりますが、

"s"はつきません。

"A lot of fish are swimming."みたいに、複数形扱いではあります。

一説によると群れになる動物はそうなるらしいですが、群れで生活していても"s"がつく

動物も多いので、なんだかよくわかりません、正直。


話を戻すと、英語を軽く学んで1年ちょいの小僧に、

自分の母語である英語の文法ミスを指摘されたのにも拘わらず、笑顔で認めたその先生は

なかなか教育者として立派だなと今は思うのです。

この世界には自分の分野に特化している人々がたくさんいますが、

自分の分野についての間違いを門外漢に指摘されて快く認める人は多くいないと思います。

「素人が何を偉そうに」というセリフが出てきそうです。

しかしながら、誰しもミスはありえますし、特化しているからと言ってすべての知識があるわけではありません。

鼻が天に着くほど高い天狗にならず、まさに学びだした頃の初心を忘れてはならないんだと、

今自分が英語を子どもたちに教えるときにも、自分も同時に学ぶ側に居ることも肝に銘じておかねばならないな、そう思えてならないのです。

私も英語を書けばミスをすることもありますし、下手をすればこの粗末な文章においても、

さまざまな日本語のミスが見つかるやもしれません。


言語に絶対はありませんので、子どもたちにはそのときに必要な正しい知識を与えられるよう、

日々自分が研鑽しておかねばならないな、と約20周年の今になって改めて思います。

こんな私ですが、今後ともよろしくお願いいたします!




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