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執筆者の写真シャロウ(S.E.A塾長)

IB(International Baccalaureate)について

こんにちは。

塾長のシャロウです。


最近日本でも少しずつ話題になっているIB=インターナショナルバカロレアについてお話ししたいと思います。

カタカナで書くと「バカ」がやたら目立ちますが、なかなか馬鹿にできない大学入学資格です。

ちょっと今日のブログ投稿は長いと思いますが、良ければ暇つぶしに読んでみてください。


私も高校時代にこの資格にずいぶんと苦労させられましたので、思い出語りも加えて、日本の高校とどれほど違うのかをご説明したいと思います。


◆概説

IB(私はDP、高校のような部門で取りました)では、6グループのうちからそれぞれ1教科を選び、合計6教科を2年間にわたって学習します。

第1と第2グループは言語で、主に英語と自分の母語、あるいは英語(母語)と第2言語、という風に選択します。私は前者のパターンで、英語(第2言語)と日本語(母語)を選択しました。


第3は社会系で、地理、歴史はもちろん、経済、ビジネス、心理学や宗教など、かなり広いジャンルの中から1つ選びます。私はインターの最初の2年間も地理を取っていたので、そのまま地理を選択しました。


第4は科学です。生物、化学、物理や、珍しいところではスポーツ科学なども含まれていました。うちの学校では教える教師が生物化学物理しかいませんでしたので、私はその3つのうちから生物学を選択しました。


第5は数学です。うちの学校では数学しか選択肢がなかったです、残念。


第6は芸術というジャンルなのですが・・・正直私は音楽も美術もドラマもてんで才能がありませんでしたので、代わりに第3グループのビジネスを選択しました。

ちなみに第6だけは、選択しない代わりに第3と第4から1つ選択しても良いという条件がありました。


それぞれの教科にも複雑な取り決めがあり、HL(高難度)、SL(標準難度)のどちらかを選ばねばなりません。HLを3つ選択しなければいけなかったはず・・・です。


私は【日本語(HL)、英語(HL)、地理(SL)、ビジネス(HL?)、生物(SL)、数学(SL)】で選んだと記憶しています。

評価点は各教科Max7点で成績が決まります。ちなみに24点以下ならばそもそも資格が出ません。


しかし、これではただの自由選択の授業な感じがしますが、ところがどっこい!

まだまだクリアしなければいけない壁があります。


それが次の3つです。

◆Extended Essay(卒業論文)

英語で4000語のエッセイを完成させねばなりません。テーマ、分野は自分で決め、自分で担当の先生を見つけなければいけないという、なかなか手厳しい卒業論文です。

期日が卒業の手前くらいなので、猶予はありますが、毎度の授業が課題まみれですので、せこせこ自分で時間を見つけて書いていかないといけません。しかも担当の先生はわざわざお声がけをしてくれませんので、自主的にエッセイを見てもらう時間を取りつけたり、アドバイスを自主的に聞きにいったりせねばなりません。今思えば当然のことですが、なかなか日本の【先生のおんぶにだっこ】状態から脱却できていなかった自分からすればタフなものでした。もちろん、内容もえげつないほど修正をくらいまくります。論文の形を1から叩き込まれますので、大学の論文がアホみたいに楽でした。


◆Theory of Knowledge(知の理論)

TOKと呼ばれます。知識の本質を問う授業・・・と言うと何だか格好よいですが、いわゆる哲学に近いもので、時たま全生徒に授業が行われる座学です。

しかしながら、もちろんこれも課題があり、30分のプレゼンテーションと、エッセイ課題が課されます。このプレゼンが曲者で、これもテーマは自由という、ある意味なよ竹のかぐや姫の無理難題の方がまだ簡単なんじゃないかと思わせるものです。「神は存在するのか」「私たちの知覚はどのようにして形成されるのか」など、答えが出そうにないものについてめいめいがプレゼンを準備するのです。もちろん英語で魅力的にスピーチができないとアウトです。私の考えたお題はヒミツです♡聞きたければ私まで直接聞きに来てください(笑)

ちなみにクラスメートに何度か爆笑されました。


◆CAS(Creativity, Activity, Service)

CASは地獄のプログラムです。「創造性」「活動」「奉仕」の頭文字3つを取ったネーミングですが、一見何をするかわかりません。めちゃくちゃ簡単に言いますと、150時間の課外活動自主的に行うものです。まぁそれだけではなく、30分や1時間などで活動を区切ってレポートにしていき、それが認可されない限りは活動としてカウントされないという地獄です。書いていてわかりにくいなと思ったので例を出します。

それぞれ3つのジャンル(C,A,S)に該当する活動、例えば【テニスを子どもにボランティアで教える】を毎週1時間するとします。これは【A=活動】に値しますので、1時間分、なぜこの活動がAに値するかを毎週レポートに出し、CASの担当教官にたまに疑問を投げつけられ、何だかんだ納得してもらえれば、週ごとに1時間のCASが認められます。


約2年間で合計150時間を学校の内外で行います。もちろん、C,A,Sそれぞれバランスよくの合計で150時間です。私が行なったのは、目の見えない子たちの施設に毎週2時間ほどボランティアに行ったり、地元の子に水泳を教えたり、日本語を教えたり、テニスを学んだり・・・

なんだかいろいろやっていました。気づけば合計220時間ほどになっており、やりすぎたなと思いました。


ここらでいったん筆(?)をおきたいと思います。

またいずれ、教科の詳しい話や、いろいろと面白い話を投稿していきたいと思います。

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